0人が本棚に入れています
本棚に追加
カタカタカタ。
キーボードを叩く。
検索エンジンに表示されるのは、「○○大学 偏差値」の文字。
ダン!! ダン!!
荒々しくエンターキーを押す。
―
「ちっ! どうしてあいつが俺よりも・・・・・」
思わずつぶやいた。
あいつ、柴田光とは、同じ部の同期で、親友だった。
―
「達也、俺、バスケ部に入りたいんだけど、一緒に来てくれないか。」
「えっ。なんでお前が?サッカー部じゃなくていいのか?」
3年前の今日。中学からの親友だった光に声をかけられ、俺たちは、そろってバスケ部に入部した。県内でも、1、2を争う強豪校だ。俺はここでバスケがしたくて、それこそ必死に勉強してこの高校に入学した。中学では、スタメンに入れなかったものの、なんとかベンチ入りすることができた。本気になれば、それこそ死ぬ気で努力をすれば、レギュラーになって、インターハイに行ける。そう信じていた。
一方、光は中学時代サッカー部だった。けど俺とは違っていて、光は最後までスタメンどころか、ベンチ入りすらできなかった。3年生最後の大会、メガホンを手に応援席で叫ぶ光の後ろ姿は、今でも目に焼きついている。
俺はそんな光のことを、心のどこかで見下していた。例え、スタメンにはなれなくても、光のような奴がいる。だから俺は大丈夫だ。そう考えていた。だから、光が俺と同じバスケ部に入りたい、そういったときには、ああ、こいつがいれば大丈夫、心のなかでそう思った。
―
最初のコメントを投稿しよう!