とろとろとろり、

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「……どうも何も、それは私じゃなくていいじゃない」 「じゃなかったら提案しないんだけどな」  生徒会の話だろうか。 なんとなくしゃがんで背を向けた。 見るのは避けたけれど、気になるので聞くのは許して。 花澤君は何を言っているんだろう──。 「──春谷さんさ、自分がどんな風に見えてるか知ってる?」 「……真面目だけが取り柄の固い女」  ん? と僕は思った。 確かに真面目な子だ、春谷さんは。 固いんじゃなくて、しっかりしてるんだ。 きちんと着た制服は綺麗だし、校則通りの髪型も似合ってる。 この前、少しだけ切り過ぎた前髪も恥ずかしそうにしてたけど似合ってた。 そういう風に、たくさんの人は見てると思う。 僕は少しだけ違う風に見えるのだけれど。
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