3.止まらない浪費

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3.止まらない浪費

 本当は、自分が稼いできたお金が自由にならないことに同情してもらいたかった。奥様は躾が厳しいですねと、慰めてもらいたかった。  しかし、期待は裏切られた。 「やっぱ、融通の利かない機巧人形なんだな」  そうつぶやいたフリードは、ポケットに突っ込んだ手で銀貨と銅貨をジャラジャラさせながら、いつもの娯楽施設の中へ吸い込まれていく。  すでに集まっていた多くの仲間たちが、フリードを見つけると一斉に手を上げて声をかけてきた。常連なので、顔も広いのだ。  ここでは、カードゲーム、ボウリング、ダーツ、射的、小さな魔獣の賭けレースが楽しめる。  彼は、一通りの遊びにコインをまんべんなく投じていった。
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