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その男は、誰より美しかった。
「――――どうぞ、御贔屓に」
そう、決まりきった口上をくちにするのも、麗しかった。
事実、その場にいた誰もが、綺麗なその男に目を奪われていた。
聞けば、まだ齢は十九だという――――。
オレの七つ下の、麗しく美しい男だった。
社交辞令とは知っていたが、それでも、嫋やかな面で微笑み会釈するその仕草の一つ一つに心を奪われた。
オレの名は、青菱史郎。
ヤツの名は、御堂聖といった。
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