7 ~Good-bye my love~

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 トロリと内股を伝い落ちる白濁には構わずに、着て来たコートを纏う聖。  紅い花の咲くその背中に向かい、史郎は声を掛けた。 「……聖」 「――」 「行くな」  短く、熱い言葉。  それを背中越しに聞きながら、振り返らずに聖は微笑した。 「…………もう、オレとあんたとじゃあ生きる世界が違う」  疲労の色を滲ませながら、聖はそう告げる。  今はもう、聖には聖なりの人生がある。  例えそれが、夢に見ていた我が子(・・・・)との暖かい家庭ではなくても。 ――――ジュピタープロを買収して、一国一城の主として本物のトップに立ったのだ。多くの従業員を抱える、責任のある立場として生きなければならない。  もう、反社会的勢力である青菱とは付き合えない。  史郎とは、これ以上歩むことは出来ない…………。 「あんたとは、ここでお別れだ」 「お前……オレ無しで満足できると思っているのか? 」  この問いかけに、聖は苦笑した。 「なんだ、すごい自信だな」 「そりゃ、そうだろう」  その身体の全てのツボを心得て、これだけ絶頂に上らせる事の出来る男が、自分以外にいるとは思えない。 「お前をオンナにしたのは、いったい誰だと思っているんだ? 」 「……ふふ、そうだな………」  肯定するが、しかし振り返らずに聖は言う。 「オレ達の道は一時的に交差したが、この先は逆方向だ。だって、あんた……オレの為に極道を辞める事はできねぇだろう? 」 「――」  無言になる史郎に一瞬だけ視線を投げると、聖は寂しそうに微笑んだ。 「さようならだ、史郎」
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