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清貴は、顔がみるみる赤く染まってゆくのを感じた。
お婆ちゃんも人が悪い。
まさか、孫の情事の一部始終を伺っていたとは。
「な。幸せなのか、お前。どんな風に幸せなんだ? 言ってみ?」
やたらしつこい父に、清貴はただ一言だけ返した。
「まぁ、幸せだよ」
「おぉ、余裕だなぁ」
電話を終え、清貴は天を仰いだ。
「今度生まれてくる時も、また俺のお婆ちゃんになってくれよな」
そして柔らかな笑顔で、静かに祈った。
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