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清貴の祖母は、彼がまだこんなに小さい時から見守ってきた人間だ。
85歳の高齢だが、心身共に健康で丈夫そのもの。
戦争で家族を失い、夫にも先立たれた彼女は、孫の清貴を大切にしてきた。その成長を見守ってきた。
「その好きな女の子は、例の夢魔に取り憑かれていた子なの?(『内緒1』参照)」
清貴は女とは言わなかったのに、勝手に女子と解釈した祖母は、深い皺に囲まれた小さな眼を輝かせて少し弾んだ声をかけた。
「まぁ、そんなところ」
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