話花遊び 変わり目とは

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話花遊び 変わり目とは

何かの終わり 何かの始まり どこかの節目 どこかの境目 終わりがあるから 始まりがあって じゃあ その始まりはどこから その始まりの終わりは何から 始まりと終わりはどちらが先なのだろう 「ぐすっ……」 どうでも良い思考をしてると、隣から静かに鼻をすする音がした。 「へぇ」 「なによ」 思わず漏れた声に涙目でキッと睨まれた。 その目から逃げる様に恥ずかしさを隠すように目を逸らす。 「可愛いところもあるんだなって」 「……ばか」 その言葉にはいつもの鬼のようなお説教の時みたいな力は無かった。 在校生からの歌で春の陽光差し込む体育館は満たされている。 辺りを軽く見回すと、同じように涙を流したりしてる人もチラホラ見える。 それはこれまでが終わる事への涙なのか、新しい事の始まりへの涙なのか。 そんな中、何も感じてない俺は何も終わってなければ、始まることも無いのだろうか。 「ふくっ……」 出そうになる欠伸を噛み殺す。 感傷も感慨も期待も希望も特に胸の中に去来することなく、ただ卒業式が過ぎていく。 ここで何かあっただろうか、これまで何かあっただろうか。 これから何かあるだろうか、これからも何も無いだろうか。 俺という始まり。 俺という終わり。 俺というものが変わる時はいつ来るのだろうか。 俺の変換点は訪れるのだろうか。 いつまで俺は俺なのだろうか。 そんな宛もない問を壇上の校章に投げかける。 とりあえず、隣の日に日に綺麗になっていく幼馴染を眺めることにした。 綺麗な泣き顔ってあるもんなんだな。
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