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追察
ディルがバレンに入って、すでに3日が経過していた。
未だメルトの正体はわからないままだ。
それでも、ディルは糸口を見出してはいた。
昨日、街で偶然、男を見つけた。
背が低く、面長の青年。
他の国のスパイだ。
本国のデータベースで照合したから、まず間違いはない。
調べてみれば、ディルよりも2日ほど前にバレンに入っているのだと知れた。
少し尾行してみれば、普通の観光客になりすましているためか、食事を警戒している様子はない。街で普通に三食を摂っている。
メルトにしてみれば何とも殺しやすい相手だろう。
この青年を尾行すれば、メルトの殺しの現場をおがめるかもしれない。
それはメルトの正体を暴く、大きな手がかりとなる。
ディルはそう考えたのである。
そして、ディルは青年スパイを尾行することにした。
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