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>誰かが失敗しているのを見ると、ほっとする。
友達が、同じクラスの奴の悪口を言っていた。
ああ、よかった。俺は、奴よりも友達に好かれている。
あいつは俺より、テストの点数が低かった。
ああ、よかった。あいつより、俺のほうが頭がいい。
俺は、野球部のスタメンだ。
そうだ。ベンチ入りすらできない、こいつらとは違う。
ある日、友達の一人がグループラインから外された。
少しすっきりした。ざまぁみろ。調子に乗るからだ。
俺の高校は進学校だ。
俺は、あいつらより、ずっとずっと頑張っている。あいつらは、落ちこぼれだ。
>咄嗟に、いいわけしてしまう。
友達に彼女ができた。クラスでもかわいいほうの女の子だ。
でも、うらやましくもなんともない。そんなチャラいこと、俺はしない。そもそも、あんなブス、そんなにかわいくない。
同級生の友達が、サッカー部の主将になった。
よくやるよな。そんな面倒くさいこと。
全国模試の成績が返ってきた。志望校判定はF。
だろうな。俺はまだ、本気を出していない。当日は、体調も少し、悪かった。
クラスでも目立たない奴が、文化祭でバンドを披露した。大盛り上がりだった。
所詮、コピーだろ。自分で曲も作ったことがない奴が、勘違いするな。
>悪いとわかっていて、嘘をつく。
「俺、今年もチョコ0。お前どうだった?」
「2個だけ。今年は少し、少なかった。」
(母さんと、ばあちゃんからだけど。)
「お前、模試の判定どうだった。」
「ギリC。もうちょっとかな」
(本当はD。でも本気を出したらきっとCだった。)
「すいません。熱があるんで、今日の部活休みます。」
(本当だ。体温計を強くこすったら、37℃だった。)
「俺、雪ちゃんに告白してみようと思うんだ!」
「やめといたほうがいいんじゃないかな。一ノ瀬、彼氏いるみたいだぜ」
(たぶん。いると思う。そんな気がする。可能性は低いけど、万一がある。こいつに先を越されたくない。)
>変わりたい。自分のことをもっと好きになりたい。
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