従う

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「だから。司。一体お前は何をやってるんだ。」 電話の向こうから怒鳴り声が聞こえてくる。 あー。もう。 なんでみんな怒ってばかりなの。 「だから。休暇届出したでしょ。」 「あんなもの受け取れるか。長期休暇。 復帰未定ってバカかお前は。」 はいはい。 バカですよ。 このまま切っちゃおうかな。。と考えると 電話の向こうで 「切ったら殺すからな。」と低い怒声が聞こえてきた。 何でもお見通しですか。。 「いいからとにかく一度こっちに顔を出せ。 相馬さんが無理やりにでも連れてこいって言ってる。 話がわからない人じゃないのはお前もわかってんだろ。」 そうだけどさ。 「そっちったって別に俺のデスクある訳じゃないから 行ったってしょうがないし。 そんなとこホイホイ顔出すもんじゃないでしょ。」 厚労省の麻薬取締官の名簿に俺の名前は無い。 潜った先が勘ぐって調べてもわからないように 俺がマトリだという事は徹底的に隠されている。 大地は 呆れたとでもいう様にため息をつく。 もうため息 聞き飽きたんですけど。 大地は同じチームのマトリ。 同じ大学出身者で同期で厚労省に入り そのままエースに上り詰めた。 基本潜入中の俺と連絡を取り合いサポートをし 指示を出すのがコイツの仕事。 面倒見がいい奴で学生時代から何かと世話を焼いてくれ まあ。なんだっていいよ。。とすぐに言う俺の代わりに それは駄目だの。これはするなだの。 何でこんな事やってんだだの。。。 オカン状態。 「司。いい加減にしろよ。わかったから じゃあいつもの喫茶店に来い。 あそこなら誰にも咎められずに話も出来る。 相馬さんの予定を聞いて連絡入れるから。」 相馬課長は確かに話の分かる人だけど。 あの人も怖いんだよね。 しぶしぶ頷き 電話を切った。
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