★グリフィス&リッツの場合

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★グリフィス&リッツの場合

 死者の祝祭日の少し前。安息日にリッツを尋ねたグリフィスは賑やかな飾りを施されたショーウィンドーを眺めて、お土産を買うことにした。  この祝日はは死者を悼む祭りという事だが、同時に収穫を祝う祭りも行われる。この時期豊作のカボチャや栗を使った菓子が多い。  それに、大抵の子供はお化けに扮して町を練り歩くパレードを楽しみにしているだろう。各家庭が小さなお菓子を用意して、合い言葉を言う子供に手渡している。  グリフィスはポップな包み紙のチョコを買った。中にシェリー酒が入ったボンボンだ。リッツはあまりお菓子は食べないが、チョコは好きだと言っていたからだ。  そうして店の裏口を尋ねると、ドアが開かないまま「合い言葉をどうぞ」と言われた。  当然、こんな事を言われたのは始めてだ。だが、この季節の合い言葉と言えば、あれだろうか。 「トリック オア トリート」  途端、ドアが勢いよく開いてリッツが白い幽霊っぽい格好で迎え出た。シーツの真ん中に穴を開けて首を通しただけという感じだ。 「おい、お前なんて格好だ」     
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