★ランバート&ファウストの場合

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★ランバート&ファウストの場合

 死者の祝祭日。町はオレンジ、黒、紫と色鮮やかな飾り付けがされている。カボチャに栗にサツマイモという野菜も色を添えて、秋の味覚が溢れている。 「随分可愛いクッキーだな」  ファウストの部屋にお菓子を持って訪ねたランバートに、ファウストは微笑ましい様子で言う。手には誕生日にアリアから贈られたワインがある。 「ジャックオランタンはカボチャ、ゴーストは栗、コウモリがサツマイモで、黒猫はココアな」 「作ったのか?」 「ついでに配ったんだ。料理府の手伝い」  この季節、料理府では小袋のクッキーを置いておく。好きな隊員は食事にこれらのクッキーを摘まめるのだ。 「お前もよくやるな。疲れないか?」  気遣わしく瞳が細められ、手が頬に添えられる。温かく、硬い手に触れられるのは心地良い。一番の癒やしかもしれない。 「むしろ、気分転換になるかな。同じ事を繰り返してるのって、性に合わないというか」 「それならいいんだが……。少し、申し訳ないんだ。お前に事務仕事の大半をしてもらっているからな」  ソファーに案内され、隣り合って座る。その前にはワインと、愛らしいデフォルメクッキーだ。     
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