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封を切って、それぞれのグラスに注いで軽く乾杯をする。このワイングラスも、お揃いのデザインを揃えた。シャンパングラスも。
今着ているローブも同じデザインの色違いだし、クッションや膝掛けも一緒に選んだ。
いつのまにかファウストの部屋には、二人で選んだお揃いが溢れている。
「お前が補佐についてくれたことで俺は自由にやれているが、お前は逆に執務室にいる事が多いだろ。たまには俺がやるぞ」
「処理能力が圧倒的に違うし、ファウストにしかお願いできない事もある。それに、俺も飽きたりしたらあちこちの師団にお邪魔して訓練してるしね。案外自由に、好きにさせてもらってるよ」
「聞いてる。他の師団でもお前が入ると刺激になると喜んでいたぞ。先輩は負けられない、同期は戦いたい、後輩は憧れだからな」
「ファウストだってそうだろ?」
「俺に挑む奴は少ないよ」
苦笑するファウストの口振りは、まぁ、分からなくはない。手加減してくれているが、この人の加減は他の隊員の本気を軽く上回るから。
「あ、美味い」
「そりゃ良かった」
お化けクッキーを摘まみ上げたファウストが呟くのを聞いて、ランバートは笑う。案外甘い物も好きな人だ。
「俺の嫁はハイスペック過ぎるな」
「そうだよ。俺を逃がしたら、絶対後悔するんだぞ」
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