305人が本棚に入れています
本棚に追加
子供の仮装ならいざ知らず、二十歳を超えたいい大人がこの格好はないだろう。ましてこいつは服飾の商人だ、示しがつかん。
眉根を寄せるグリフィスにかまいもせず、リッツはご機嫌に首に抱きつく。そして、ドアを閉めた途端、何故か胸を張った。
「お菓子はない!」
「はぁ?」
それならどうして合い言葉を求めたんだこいつ。
訝しく首を傾げたグリフィスの前で、リッツはシーツを脱ぎ捨てる。そして、思いきりがくりと膝を落とす事になった。
シーツの下は真っ裸。しかも何か期待していたのか、下半身は既に反応しかけていた。
「お前な!」
「悪戯待ちだよ。あっ、オレンジ色のリボン結んでおけば良かった?」
「そういう意味じゃない!!」
まったく、頭の痛い奴だ。仕事の顔をしていればそれこそ頭の回転の速い奴なんだが、一度恋人スイッチが入ると仕事なんてそっちのけにしてエロばかり考える。
だが、まぁ……仕方がない。元々下半身がゆるゆるだ。それでも、今は恋人のグリフィスにしかこんな姿も誘い方もしないのだし。
思えば、笑みが浮かぶ。そうして立ち上がり、買ってきたチョコを一つ手にしてリッツの口の中に放り込んだ。
「んぅ! あっ、はぁ……」
放り込んですぐ、唇で塞いだグリフィスはねっとりと舌を絡めて中を味わう。チョコに、ボンボンの味もリッツを通じて堪能した。
最初のコメントを投稿しよう!