episode249 末期症状

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屋上に通ずるドアノブを 僕らは仲良くほぼ同時に掴む。 「聞き分け悪いな。君は下がってろ」 「いいえ、あなたこそ引っ込んでいて」 無論愛ゆえにどちらも先を譲らない。 しばしにらみ合い。 「あっ……あそこ!」 僕はあらぬ方法を指さし 「何?何がある?」 純粋な彼氏がそちらに気を取られているうちに 先手を打つという至極原始的なやり方で先に扉を押し開ける。 「あ!汚いぞ」 「天宮の子ですから」 僕の嘘にまだ騙されてくれる恋人を 愛おしく思いながらも 「だからあなたの出る幕じゃないって言うの」 だからこそ近づけたくない。 神の子とは名ばかり――あいつは危険だ。
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