episode249 末期症状

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「やめろ……!それはっ……!」 細いチェーンが弾ける。 ルカは悲壮な叫び声を上げた。 「僕ははなから神様なんて信じちゃいない……この世に生まれてきたのは好き勝手やるためさ!」 いつしか自然と笑いが込み上げた。 「和樹……」 振り向くと柵を越えてきた九条さんが 呆然と立ち尽くしそんな僕を見つめていた。 「軽蔑したかい?でも僕の世界に神も悪魔もいない」 だけどもう完全な興奮状態だから 隠すことはできなかった。 「いるのは自分、自分、自分。ああ、そう僕だけだ――」 世界は僕を中心に回っているのだと言うことを。 隠すことはできなかった。 「見てろ。僕が君を苦しめる神とやらに復讐してやる」 実に愚かで身の程知らず。 それゆえに僕がどれほど魅力的かということを。 「やめろぉっ……!」 隠すことはできなかった。
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