episode249 末期症状

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ルカが至極大切にしていた 神の印が星屑になった途端。 薫が息を吹き返したように咳込んだ。 本当に生きているんだ。 ホッとしたのも束の間。 「君と関わるべきじゃなかった……」 「アッ……!」 「悪魔――正真正銘の悪魔め」 ルカの怒りは再び激しい火を噴いた。 すぐに上下が入れ替わり 「っ……!」 僕は柵もない屋上から半身乗り出す形で はるか遠くに着地点を見る。 「殺してやる……」 我を失くした聖職者は 哀れな狂犬のように牙をむき僕の首を締め上げる。 「んんっ……!」 僕の身体は既に 腰のあたりまで宙に浮いていた。 それでも伸ばした手のひらにはまだしっかりと 生暖かい夜風を感じる。 頭のどこかで思っていたんだ。 僕が死ぬわけないじゃないかと。
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