episode249 末期症状

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それで――思い出す。 「スタンガンだ」 「何?」 「ルカが持ってた。スタンガンで撃たれたんだ」 薫の時とおんなじ反応に 記憶がフラッシュバックして僕はよろめく。 てことは――。 あの吸血鬼もうこの病院を突き止めて 「来てるんだ……」 足が震え崩れ落ちそうな身体を ナースステーションのカウンターにつかまり何とか立て直した。 「薫っ……!」 しかし珍しいこともあるもので 僕の中でこの瞬間――恐怖心より何より兄弟愛が勝った。 「和樹、待て……!」 それで九条さんが止めるのも聞かず。 薫の病室に向かって 僕は脱兎のごとく駆け出した。
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