こころ暴かれ、墓を暴き

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こころ暴かれ、墓を暴き

 視界に入れるのも痛い程に元気に輝く太陽が頭の真上に登りきる頃。空腹を訴える胃袋に起こされて、テツはやっと目を覚ました。  しょぼしょぼと眠気を訴える瞼を数回瞬き、くしくしと顔を洗う。納屋の中にある寝床の工具棚の上で伸びを2回してやっと意識がはっきりしてきた。 (昨日は、なんか凄かったなぁ)  思い返したのは大きな烏と三毛猫の家族の姿だ。  小さな仔猫を助けるために乗り込んだ烏の巣。お世辞にも格好良くとは言えないものの、仔猫を救い出す事ができたのは確かな事実だ。  日常からかけ離れた所にある非日常に足を踏み入れた事は、テツにある種の高揚感を抱かせた。それは家に帰ってからも、朝の間泥のように眠っても覚める事無く、テツの身体を心地の良い浮遊感で包んでいる。  テツは上機嫌で尻尾をピンと立てた。 (怖い事件も解決したし、これで安心して暮らせるぞぅ)  昨日の夜、ボタンを集会場に送り届けた帰り道。  ザジは半兵衛を殺したのは烏達だと断言した。
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