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「コップの底に指を2本横に立てるだろ?」
「………はい」
「そんで、原液を2本目のところまで入れる」
「………はい」
「スコップ半分ぐらいの量の氷を入れて……」
「………はい」
「あとはここに炭酸水を入れる機械があるから、
レバーを引いて、そんでコップの縁から指2本分を空けて注ぐ」
「………ほう」
「はいっ、これでレモンチューハイのできあがり」
「……なるほど」
「わかった?」
「はい、チューハイの作り方はわかりました。
だけどコウさん、コウさんって………
なんやかんやでしっかりとしてたんですね。
今日はギターも持ってませんし」
「んなっ!!?」
バイトも今日で五日目に突入し
今日はポンコツ可愛い先輩であるコウさんに、
チューハイの作り方を習っている最中です。
以外としっかりした教え方をする先輩に、思わずビックリしてしまった僕は
よくできましたと言わんばかりに先輩の頭を撫でてあげる。
「よしよ~し……」
「んなぁぁぁっ!!!?」
しまった。
あまりにもポンコツで可愛いが故に、先輩であるコウさんの頭を撫でてしまった。
僕は少し汗を滴、ゆっくりと手を頭から離す。
「あ……、す……すみません」
「お……おお……おま……おお前ぇ~~……
こ……こここ…この野郎ぅ~~……」
あら、可愛い。
頭を撫でられた先輩は
顔を真っ赤にして制服のエプロンをギュッと掴んでいる。
以外と身長の高い先輩、160センチ半ばぐらいか、
しかし、
180センチ後半あたりある身長の僕からすれば
先輩はまだまだ小さい女性なのである。
そんな先輩を僕は小さくて可愛いポンコツだなと
不覚にも思ってしまっていた。
さて、ポンカワ先輩の事で少し話は逸れたが、先程一声かけたギターの件である。
そう、いつも肩からぶら下げているギターを
今日は持ち歩いていないからだ。
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