一件目:先輩のたわわな胸。

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「おはようございます」 「やぁ、おはよう湯麻くんっ!」  学校を終えバイト先の居酒屋へとやってきた僕は、  いつもどおりの無表情で店長へと挨拶をする。  バイト初日に今月のシフトも決め、今日でバイトも三日目。  仕事の内容も徐々(じょじょ)に覚え、少し緊張も溶けてきた感じである。 「店長、今日も僕と店長と高城さんだけですか?」 「うんそうだねぇ、  他のバイトの子は学校の用事とかで今月は少ししか入れないみたいでね」 「そうですか……、  ところで、高城さんも……学生ですよね?」 「うん、そうだよ。  高城さんは大学生、二年生だね」 「あの人、大学生だったんですか?  僕より……二つ年上か……。  それよりも、高城さんは……?」 「高城さんなら、さっき食べてたまかないの食器を洗ってるよ。  挨拶してあげたらどうかな?」 「はい、  それでは着替えて高城さんに挨拶してきます」 「うん! 今日もヒマだし、ゆっくりでいいからね」 「はい………」  この何処にでもあるような普通の居酒屋さん。  大きすぎず、小さすぎず、本当に一般的な普通の居酒屋である。  ここに働き始めて三日目、お客さんはチラホラとは来るが、追われるほど忙しくもなく、のほほんと時間が過ぎていく感じの職場であった。 「おはようございます」  制服に着替え、洗い物をしている高城先輩に声をかける。 『ガチャガチャン……ゴッ……ガチャ…ゴッ……』 「おっ、湯麻おはよう!!」 『ガチャ……ゴッ…ゴッ……ジャーー……キュッッ!』  期待を裏切らないその先輩の姿。  今日も肩からギターをぶら下げている。
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