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少年が目を覚まし気が付くと見慣れた保健室のベッドの上にいた。
保健医の先生が心配そうに覗き込んでいる。
先生「具合、大丈夫か?辛そうだな…」
少年「ケホッ…多分…大丈夫です」
熱と喉の痛みで少年の目は涙で潤んでいた。
先生「熱を計るから制服のボタンを開けてもいいか?」
少年「え、あの…先生、僕自分で計ります…!」
起き上がって体温計を手に取ろうとしたものの身体が思うように動かず、動こうとすると咳き込み苦しくなった。
少年「うっ…ゴホッゴホッゼェ…ハァ…」
先生「無理をせず安静にして私に任せなさい」
少年「ゴホッ…すみません…」
力の入らない身体で弱々しくベッドに横たわる。
先生は少年の制服のボタンを上半分開けて体温計を当てた。
少年は恥ずかしくて目を閉じた。
暫くして体温計の音が鳴り、温度を確認する。
先生「38.5度…かなり熱があるな」
先生は聴診器を少年の体のあちこちに当てる。
少年「っ…くすぐったい…」
聴診器を胸に当てられ、少年は熱と先生に触れられる恥ずかしさでドクンドクンと更に鼓動が早くなった。
先生「心拍数も高いな…早めに薬を飲んだ方が良さそうだな」
先生が薬とコップに注いだ水を運んできた。
先生「薬、飲めるか?」
少年「はい、ありがとうございます」
少年は渡された薬をごくんと飲んだ。
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