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フレンチコースとコンビニ飯
キリギリス「アリさ~ん!オレこの1週間ずっとコンビニのおにぎりしか食べてないんだ…何か奢って~」
アリ「はぁ、本当にしょうがないなお前は…良いよひもじいお前に俺がコース料理を奢ってやろう」
キリギリス「わ~い!ありがとう!アリさんやっさし~!男前~!」
アリ「今日はこの新しく買った車でレストランまで行くんだけど、見てくれよこのツヤとこのフォルム最高だろう!?」
キリギリス「さすがアリさん!独身貴族だからいつも良い物買うよね~」
アリ「その呼び方やめろ…俺は家庭を持つ事や子孫を残す事に興味が無いだけなんだ」
キリギリス「オレもそうだよ、女の子と遊ぶのは楽しいけど結婚しても養えないもん、一緒だね!」
アリ「収入不安定なお前と一緒にするな!俺は安定した収入があっても女や子供の為に金を使うのが嫌で自分の趣味にだけ使いたいんだよ」
キリギリス「アリさんは趣味の為に生きてるって感じだもんね~」
アリ「ブランドの車と時計を買い、美食を嗜むのが男のロマンってもんだろう」
キリギリス「アリさんのロマンってブランド品と高級料理しか無いの~?もっとこう、恋愛とか思い出とかさ~」
アリ「恋愛や思い出なんてそんなもの、どうせ形に残らないだろ…時間が経ち忘れたら形の無いものは消えていくんだよ。恋愛も思い出も不確かなものだから俺は要らない」
キリギリス「…アリさんってやっぱ昔何かあったの?」
アリ「ほんとデリカシー無いよなお前…」
キリギリス「アリさん、趣味以外にお金使いたくないって言ってる割にオレにはいつも食事奢ってくれるよね?」
アリ「それはお前があまりにも貧しいから哀れみで奢ってやってるんだよ、お前は自分の生活を恥ずべきだ」
キリギリス「もっと哀れんで~」
アリ「哀れみを通り越して呆れるよ…お前には男のプライドってもんが無いのか?」
キリギリス「そんなものありませ~ん!オレはアリさんみたいにプライドエベレストじゃないんで~」
アリ「誰がエベレストだこの野郎!もうさっさと車に乗れ!」
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