フレンチコースとコンビニ飯

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キリギリス「わ~、いい車だねこの車、外車?」 アリ「そうそう、高かったんだよこの車~もう毎日車が可愛くてしょうがなくて俺は楽しいよ」 キリギリス「アリさんってちょっと変わってるよね」 アリ「そうか?お前も大概だぞ」 キリギリス「しゅっぱ~つ!」 アリ「シートベルトちゃんと締めろよ」 キリギリス「車内のBGMいつもオサレな曲だよね~」 アリ「お気に入りの曲をセレクトしているからな」 キリギリス「今度俺の演奏を録音したデータ持ってくるからそれもBGMにしてほしいな~」 アリ「断る、お前の演奏は俺の趣味じゃない」 キリギリス「え~アリさんヒド~い!」 アリ「お前の演奏も選曲も全部バイオリンと合ってないんだよ…」 キリギリス「オレの演奏全否定!?」 アリ「お前が売れない原因を指摘してやっただけだ」 キリギリス「別にオレは売れたくて音楽やってる訳じゃないからいいもん」 アリ「売れなきゃ収入にならないだろ、アホかお前は…趣味でやりたいだけなら別の本職を探せよ」 キリギリス「言われなくてもちゃんと他の職で稼いでるよーバイトだけど」 アリ「バイトは本職の内に入らないだろ…」 キリギリス「アリさんのバカ!オレはミュージシャンになるの!」 アリ「バカはお前だ、お前は現実逃避しているだけだ」 キリギリス「逃避じゃない!オレは夢に向かってるの!」 アリ「お前のそれは将来の夢はプロ野球選手だって言ってる幼い子供と同じようなものだ。大人になれば大半の人が皆サラリーマンになるのが現実なんだよ。」 キリギリス「ほんっとアリさんって夢が無いよね~思考が社畜って感じでつまんな~い」 アリ「俺はお前と違って夢ではなく現実を生きているからな。夢だけ見て暮らせる世の中じゃないって事くらいはお前だって大人なんだから分かるだろ?」 キリギリス「そんな事、アリさんに言われなくたってとっくに分かってるよ…だけどそれでもオレは夢を追いたい、それがオレのポリシーだから」 アリ「ハァ…勝手にしろ…まぁ俺とお前は違うからな…お前は夢を、俺は現実を、それぞれ違う世界を生きている」
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