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「アタシね、
いっつもカウンターの端っこに座って、
一杯だけ飲んですぐに帰っちゃうリーマンくんが好きなのよね~」
と、
〈レベッカ〉のマスターは呟いた。
それを右から左に聞き流し、
佐々木亜夢は「はいはい」と適当に相槌を打つ。
すると、
マスターはむ~っと頬を膨らまし、
逞しい上腕をブンっと振って佐々木にネックハンギングを仕掛けた。
「ちょっと、
佐々木ちゃん! アタシが恥じらいながら恋を呟いているのに、
それって冷たいんじゃないの!? 」
「く、
苦し……ギブ、
ギブ!! 」
ジタバタともがくと、
マスターはパッと腕を放した。
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