銃撃

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気配を消して忍び寄った。 「くそ、こんなところで」 「うひひ、いいから早くくたばっちまいな」 そんな騎士とオークの会話と少女の震えるようにボソボソと口を動かす姿と、その横で少女を守るその父親と思しき男性の姿である。そんな姿を横目で見ながら、ボクは後ろについた。そして、容赦なく撃った。 オークのうちの一匹が突然倒れた。 それを他のオークたちが何が起きたのかわからず、呆然と振り返る。他も同じだ。しかし、それは突然で、また一匹一匹型に伏せて力なく倒れる。 当然この場にいる被害者でも加害者でもない。第三者だった。そう少年がやったのだ。その少年の両手には、この世界にはない武器が握られていた。黒と白の対照的なそれは、拳銃と呼ばれるものだ。 そんな二丁の拳銃は、容赦無くオークたちを撃ち殺していく。それを淡々とこなす彼、その銃は変わっていて、弾切れがない。なぜなら、魔力を使って生成される弾丸だからだ。つまりは、無尽蔵である。 最後の一匹となったオークが、騎士を押し倒し少女に近づく。 勝ち目がなくなったのだ。しかしその穴が少女の眼前に来る前に、そのオークはピクピクと動き出すと、やがて地に伏せその生涯を終えた。 握られていた石斧が力なく、地面に突き刺さる。 ボクはその光景を見やると、少女たちのもとに駆け寄った。少女達は移動用の荷馬車から動けない。ボクは、そんな少女達のもとに駆け寄り、こう言った。 「大丈夫ですか、怪我はないですか?もう心配ありませんよ」 と、優しく微笑みかけた。
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