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「お主はこの辺のものではなかろう。お主は、人か、それとも人ならざる者か……」
先程まで少し幼い少年に見えた羅日だったが、山臥の目には怖いくらいに美しい青年に映った。
どうして先程まで幼く見えていたのだろうか……
羅日は上を見上げた。
ゆっくりと目を瞑る。風が頬を撫でた。
どこか温かく、桜の香りが優しく体を包んでいく。
ひらひらとひとひらの花びらが団子に舞い降りた。
「山臥の爺さんは、どう思う。俺は何なんだ、どうしてここにいる。」
羅日は山臥の方を見た。
山臥は団子を置いた。
「わしにもわからんよ。お主はお主だ。人であろうがなかろうとな。そしてお主がここに居るのも、わしがここに居るのも、出会ったことも全て運命なのだろう。」
「運命か……」
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