プロローグ~過去~

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正直、そいつと付き合っても 何も変わらなかった。 女達と付き合ってるのと同じ。 ただ慣れなかったのは、 身体の付き合い。 そいつは入れたがる方で、 無理だと最初は断っていたけど、 そのうちに慣れていくもので、 受け入れても支障がなくなった。 痛さはあったけれど、 俺はその痛みも結構好きだった。 そんな付き合いを続け、 中学も卒業が近づき、塾も終わる。 俺は塾が終わればそいつと 別れるつもりでいた。 一緒の高校に行くでもないし、 特別な感情もない。 でもそいつはその提案には 乗らなかった。 それ以上に、好きだ、別れたくない と言って来る。 そんな奴今までいなかった。 急にそいつに拒否感を覚え、 言ってしまった、気持ち悪いと。 そいつはそれからは話しかけて 来ることは無かった。 それから、学校生活に戻った、 戻ったはいい。けれど、少しづつ いた友達だと思ってたやつ達も、 女達も俺と距離をとる様になっていた。 何にもしてないはずなのに。 そう思っていたけど、 自分の噂話を俺は聞いてしまった。 本当は『ゲイ』で、 じゃあ今まで付き合った女達は 『遊び』だった『最低』、 その他色々、噂話は尾ひれがつく。 あながち間違いでもない。 今更否定した所で誰が信用する? 俺はそれを受け入れた。 言うなら勝手に言えばいい。 噂を流したのは恐らく、塾のアイツ。 これは復讐なんだろう。 つまらない事をするやつだ。 そんな事をしたって、 戻るつもりはないのに。 こんな学校はもうすぐ卒業だ。 どうでもいい。 高校に入れば変わるだろう。 そう思っていた……。 でも、高校に入っても何一つ 変わらなかった。
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