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「ダメなんて言わせない。俺は、百合が好きだよ。百合も好き以外は言わないで。」
言葉とともに一度離れた唇は、さっきよりと力強く私の唇を塞いだ。
温かい唇に頭がぼーっとし始める。
「これぐらいで、やられてちゃダメだよ…もぅ我慢しないから。」
悪戯っぽく笑う彼は、エレベーターの緊急連絡のボタンを押していつもと変わらない口調で話し出した。
「すみませーん、エレベーター止まっちゃったみたいなんですけどー!」
『大丈夫ですか?すぐ、動くと思いますでそのままお待ちください。』
「はーい、ありがとうございます。」
そんな悠人とは違い、腰を抜かしたまま座っている私のとなりに彼も腰を下ろした。
「ねぇ、エレベーター動く前にもう一回キスしていい。」
問い掛けをする癖に私の答えなんて聞かずにキスする。
「秘密の恋愛って、ドキドキするね。」
相変わらず、悠人は私のとなりでいつもと変わらない悪戯っぽい笑顔で笑っていた。
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