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力強く、だが優しく体を抱きかかえる彼はそのまま私を連れてどこかに行く。
彼がどこに連れて行こうとしているのか――そんなものはどうでも良い。
彼が私を連れて行くところなら、それがどのような場所であれ、私は受け止める。
もとより一度死んだ身だ。救われたことに感謝こそあれど、恨みを持つことはない。
だから私は、彼に身を預けた。
――……そして。
「今日からここが、おまえの家だ」
彼は、とある部屋に私を連れて来た。
外の世界とは全く違う……狭い世界だ。
だけどここが今日から“私の家”であるのならば、それに従おう。
彼は私を地面に下ろし。
地面に足が着いた私は“私の家”がどのような世界であるかを確かめる為に歩く。
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