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けれど、私達兄妹が暮らしていた巣は地面から高いところにあった。
そんな高さから落ちてしまえば、弱い私の体が耐えきれるわけがない。
私の決死の覚悟も虚しく、私の体は地面にぶつかった衝撃で満足に動かせる状態ではなかった。
むしろ更に悪化したと言えよう。
全身を襲う激しい痛み――それから逃げることが出来ない。
何も食べていない空腹感――それは絶え間なく襲い続けている。
――まさに生き地獄だ。
結局、何も出来ない、出来なかった私は……そのまま瞼を閉じて死ぬことを受け入れた。
悲しくて、悲しくて……とても悲しくて、涙を流し続けた私。
――だけど、不思議なことに。
私は、死ななかった。
いや、正確に言えば私は一度は死んだのだろう。
死にはしたが、でも悲しみの念が強すぎた為に私は蘇った、と。
そう解釈した私だが、しかし死ぬ前の状態がよっぽど酷かったのか、蘇った私は目を開けることは出来たものの、体を動かすことが出来なかった。
体を動かすことは出来ない。
それに、死ぬほどの空腹感がまだ続いていた。
私は死んでも尚地獄を味わい続ける羽目になったようだ。
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