4人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
全力で鼻に集中し、あの少年のニオイを探る。
周りには他の人間達のニオイや、悪臭があって邪魔をしている……が。
――見つけたッ!
その中に、あの少年のニオイが混じっていた。
かなり微かではあったが、間違いなくあの少年のニオイだ。
そのニオイを逃さないように、私は全力でそのニオイを追った。
早くあの少年の元にッ! ……だが、周りにいる他の人間達が邪魔で仕方ない。
邪魔ではあるが、それでもあの少年の元に急ぐ方が先だ!
急いで少年の元に行き、そしてあの時の恩を返すのだ。
方法など、追いかけている間に考えれば良い。
体はただひたすらに、地面を蹴ることだけしていれば良い。
私は、私の大恩人の元に――急がなければいけないのだッ!
最初のコメントを投稿しよう!