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――ッ!?
ああ、その言葉……決して忘れるものか。
その言葉は、私の目の前に食べ物を置いた少年の最初の言葉だ。
その言葉を、一語一句間違わずに言った“ソレ”は。
「――俺の家に来るか?」
あの時と……あの時と同じ笑みを浮かべた。
ああ、間違いなく……この人間の大人こそ、あの少年が成長した姿なのだ。
月日の感覚を忘れている私は、長い年月が経っていたことに気付いていなかった。
長い年月を経たことにより、ひな鳥であった私は四足歩行の生き物に生まれ変わった。
そう……大人になった少年が言う『ネコ』に。
少年……いや、“元少年”に再会出来た私はあまりの嬉しさに、彼の足にまとわりつく。
決して離れない、逃がさないと訴えるように。
その行動を、彼はどう思ったのか私の体を抱きかかえた。
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