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そんなことを考えていると突然「あなた、先程の人間ですか」という高くて細い声が聞こえた。
びっくりして目線を上げてみると、そこにはあのアサガオがいた。
気のせいかと思ったが、今度は後ろから「また何やら怪しい機械を造りおって」と、低くそこそこ年を取ったお爺さんのような声が聞こえてきた。
振り返ってみると。そこにはあの垣根から身を飛び出した松がこちらを見下ろしていた。
声が聞こえたのは気のせいではなかったのだ。次第に二人の会話が盛りあがっていった。僕たちは道路に対して斜めに並んでいた。
「ねえ、聞いてます。あなたは先程の人間ですか。それとも先程の人間が連れてきた私と同じアサガオですか。」
「儂はちゃんと見ておったわ。あの人間がごちゃごちゃしておるところを。―さっきお前さんにそこに落ちてる機械で何かしておったやろ。その機械がこうさせたんやろ。」
「それがもし本当なら、これは何なのかしら。先程から一言も話しませんし。作り物、造花ってやつかしら。それにしては随分と上手くできていると思うけど。」
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