0章 弟子に生贄として使われました。

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気がつけば、姿が丸っと変わった、というか、性別と年齢まで変わっていました。 ********** 一瞬、今流行りの転生とやらをしたのかと思った。 ほら、良くあるじゃねえか?電車で事故って死んだ方思えば、外国で最年少軍人魔導師になってたり、スライムになってたり、更なる力を求めて名門に生まれ変わったり、生まれ変わって平凡に暮らすぞーって思ったら、やっぱりチートだったり。 むしろ、今流行りどころか流行りの黎明期になってるんじゃねえかととも思うが。まだ結構出回ってるけど。 けど、とりあえず手元にある文明の利器をいじってみたら、特に変わらない俺の情報があった。時代も何も変わってなかった。変わったことと言えば、好きな女優がデキ婚したってニュースがあって、クソが!ってなったぐらいだ。 ただ、見た目が全く変わってしまっていた。元の姿なんて影も形もない。せっかくダンディーな見た目だったのに……。まあ、元がいいからか、変わった見た目も悪くねえけど。俺超可愛くね? で、冒頭に戻るが、俺にはこの見た目になる心当たりは残念ながらない。何らかの術をかけられた場合は、少なくとも術者の魔力が残ってるからそれで気付くのだが、そういうものもない。むしろ体調的に、元からこの姿であったかのような馴染みっぷりだ。 ……そういえば、この姿で俺って認識されるのか? 大概の転生ものは、そもそも転生しちまってるんだから、変わってしまった姿で世界に認識されている。が、俺の場合は転生じゃねえし元の姿で覚えられていて然るべきだ。むしろ望まない変化だし、生まれた時からこの姿だと思われてたら困る。 「弟子ー!いねえのか弟子ー!!」 ひとまず、元の俺のことを良く知ってる奴の反応を見ようと、家に居候中の弟子を呼ぶことにした。 大概の魔術師の生計の立て方は、弟子を取ることだ。基本魔術師は神秘の探求をするという知的好奇心を満たしたいだけの人間の集まりだから、シャバで能力を役立たせて金にするなんて考えを持つ奴はほぼいない。大概が、そんな変人の能力も得てみたいと考える、これまた変な金持ちの息子に、自分の知恵を分け与える代わりに金をもらうっていう方法で生活をしている。 この弟子は残念ながら違うけどな。だからめちゃくちゃ適当な態度だし、将来は俺のために働いてもらう予定だしな。
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