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ちなみに今は弟子には、家政婦として働いてもらっている。まだ弟子は高校生だからな。バイトは残念ながら受験が終わってからだ。
え?高校生でもバイトはできるって?それに、大学に行かせる金があるなら働かせろって?馬鹿野郎!そんなことさせたら、ご近所から俺が何言われるか分からないじゃねえか!別にカツカツでもねえのに!
それに、高校生バイトの時給は安い。それならその分家のことをやってもらう方がずっといい。そして高卒になると、残念ながら働き口は狭くなる。将来魔法を生かして仕事してもらうにしても、シャバで使える学歴って名前の資格は持っておいてもらった方がいいだろう。
時間なんてのは、どの人間にも等しく同じ量しかない。だからどう使うかっていうことだけが、そいつの人生を左右する。俺の弟子になった限りは、そこらへんの人間には見ることができないような世界を見るような、濃い生き方をしてもらわないと困る。
そんな弟子は今、洗濯物を片付けていた。まとめて桶で洗った衣類に対し、風と炎を掛け合わせた魔術で水分を消し去っている。余裕の表情で使っている魔術だけれども、実は高度なことをしている。最初の頃なんて調整を頻繁にミスって、何枚の洗濯物が犠牲になったことか……。
「弟子!大変なことになった!!」
全く馴染まない、高いながらも頼りなさを感じさせる声を張り上げて呼びかけるも、弟子は不審そうな顔をしていた。
「……どなたですか?師匠の新しい女性でしょうか?これまたお若い方を連れてこられたようで……」
しまった。弟子は今、俺がなぜだか女の姿になったことを知らない。
しかしなぜだ。この俺が変化しただけあって、この姿はそこらへんのアイドルなんかには負けないぐらいの麗しさだ。元の年齢の半分以下になったみたいで、張りと艶のある綺麗な肌を見て、触ってみたいと本能が刺激されて顔を赤らめるならともかく、気持ち悪いものを見るような顔をされるのはなぜなんだ。いや、こいつに触られるなんざ死んでもゴメンだが。
それに、1つ聞き捨てならないことを言った。
「おい雪人!てめえまるで俺が良く女を引っ張りこんでる言い方をするたぁどういう了見だ!俺はこの家に一度も女を入れたこたぁねえよ!」
一応弟子の教育に悪いだろうということで、女を作っても外でしか会わないようにしていた。
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