いつだって傍に

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 愛奈(あいな)と別れたあと、残りわずかになった家路をふらふら歩く。……もちろん、理由はなんともいえないこのモヤモヤした気持ちだった。  あぁ、もう。  このモヤモヤした気持ちはなんだろう? 言っちゃなんだけど、愛奈はわりと怒りっぽいところがある。わたしがなにか察せなかったり、気付けなかったりしたところがあると露骨に機嫌を悪くしてしまうのだ。かといって、そっとしておいてもそれはそれで嫌……みたいなところがあったり。  もちろん、いいところだってたくさんあるけど!  たとえばいつも寝坊直前のわたしを起こしに来てくれるし、出掛けるときも方向音痴で道に迷いがちのわたしの手を引いてくれるし、わたしがほしいものとかなんかいつの間にか買ってくれてるし……。 『ふふふ、だって優花(ゆうか)って何考えてるかすっごいわかりやすいんだもん。顔に出てるし♪』  よく愛奈からはそう言われるけど、あんまり他の人にはそんなこと言われない。たぶん、それだけ愛奈がわたしのことを見てくれていて、それでわたしも愛奈に手渡すプレゼントとかで外したことがないから、たぶんわたしもそうできているんだと思う。  なんでも嬉しそうに受け取ってくれるから、選び甲斐あるんだよね~。 「………………うーん」  そういういい思い出が甦ってくると、やっぱり申し訳なさが募ってくる。  愛奈に、『いつからこんなに仲良くなったんだっけ』とか聞いたりしたのは、確かに無神経だったのかな……。 「明日謝らないとなぁ」  家に帰って、お風呂に入って、ご飯を食べて。  適当にテレビ見たり、高校でできた友達と通話したりして、そうやって今日も終わって明日また愛奈に会う。  そんな風に思いながら、眠りにつくはずだった。  
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