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愛しい背中
「ふほっ!」
タックルする勢いで広い背中に抱きつけば、妙な呻き声をあげる。
さらりとしたワイシャツに頬をくっつけ、すりすりしながらスンと息を吸う。
微妙な汗と微かな香水の香り。一日働いた男の匂いだ。
これを「オヤジ臭い!」と、いつか言う日がくるのだろうか?
ウエストに巻き付けた両腕に力を込め、さらにぎゅうっと抱きつく。
ガシッと、私の両腕が掴まれた。
そのまま、ゆらゆらと身体を揺する。
揺らされながら「ふふっ」と小さく笑う。
日常の、ささやかな私の癒し──
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