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私は悲鳴をあげそうになるのを何とか堪え、家から飛び出した。
兎に角、人を呼んで来ないと・・・
だが・・・
集落の周りの家を見渡した時、背筋が凍り付いた。
家々には明かり一つ無く、全てが朽ち果てた廃屋だったのだ。
そんな筈はない。
さっきここに来た時には、確かに人の住む気配があった。
それからゆっくりと、今出てきた家を振り返った。
私は言葉を失った。
確かに今主人と一緒にいたはずの家までがあばら屋と化していたのだ。
棄てられてからだいぶ時が経過しているように見える。
そして私は視界の隅にそれの姿を捉えた。
屋根の上、しきりに何かが跳ね回っているのだ。
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