ある地方の寒村で

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「それはどうして?」 「たぶん、足元見て銭をせびろうとして勿体つけたとか・・・。ただ村としては背に腹はかえられんから皆で金を持ち寄ってヒジリに渡す事にした」 「それで、その厩ヒジリは?」 「集まった銭や馳走を見て満足したのか、受ける事にしたようだ。ヒジリはにたにた笑ってたってよ。それで祈祷をやるから村で飼ってる牛を一頭用意するように言ったらしい。」 「牛、ですか・・・?」 「そう。牛をその雨乞いに使うという話だ。牛はとにかくものを運ばせたりするもんで貴重だから、一頭出すのも本当はしんどい。だがそん時はヒジリの言う通りにした。」
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