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 ひどくもやもやして嫌な気分だ。  胸が苦しくて堪らない。  気が付くと辺りの景色はすっかり変わっていた。人通りの少ない帰り道から、賑やかな繁華街の方まで来てしまったらしい。  ずっと走っていたから息が切れてしまった。  私ったら、なにやってるんだろう。 「!」  ふと視線を上げた先に見覚えのある姿があった。人混みの中に先輩を見つけたのだ。隣には当然のようにあの子がいる。  手にアイスクリームを持っているから、学校帰りに二人で食べ歩きをしているのだとわかった。  可愛らしく笑う彼女の肩を抱いて、先輩はこちらに気付くこともなく歩いていく。遠くなっていく二人の背中に汚い言葉をぶつけてやりたい。  今すぐその人から離れてよ! あんたさえいなければ、その人は私の物だったのに!  心からそう叫びたかった。  今の私はたぶん、ものすごく醜い顔をしていることだろう。  悔しくて零れそうになる涙を必死に堪えながら、私はあの占い師さんのいる場所へと引き返していた。  占い師さんはまだそこにいた。  私が戻ってくることを予想していたのか、口元に笑みを浮かべている。
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