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「フミさん」
訊かれてもいないのに言い訳を考えていると名前を呼ばれ、反射的に顔を向けるとその顔はいつもより紅潮していて彼も興奮しているんだ。と思うと気が緩んでしまう。
「んっ…ぅ、」
達しそうになってしまったのを口をぎゅうと閉じてこらえたのに、そこを刺激する手は止まってくれなくてじりじりと追いつめられるような感覚に閉じた口から声が漏れる。
「ぁ…ん、ぅ、」
我慢しようとぎゅうと目をつぶると聞こえてきたのは大河さんが息を吐く音。それがやたらと色っぽくて前をいじられている最中なのに後ろがむずむずと疼く。
このまま、達するところまでするつもりなんだろうか。
「たいが、さん」
吐息まじりになりながらもなんとか名前を呼ぶと、動き続けていた手がようやく止まり
「ん?」
といつもとは違う熱っぽい声が返ってくる。
「しないん、ですか?」
喋る余裕が無くて主語の無い問いかけを口にするが彼にはちゃんと伝わってくれたみたいで
「後ろ、いいの?」
と問い返される。
「したい、ちゃんと」
「そうだね」
彼の目を見てねだると彼は笑みを浮かべて返事をすると私の鼻先にキスをして、そこを握っていた手を離す。
「足、あげる?」
くっついていた腰が離れてそう問いかけると彼が私の足を上げ、手を伸ばすとそこに自分の太股の裏が触れてそこを掴んでもう片方の足は自分で上げて彼に向かって足を広げる体勢になる。
そういえば、電気ついているんだっけ。
半ば自分からその体勢になっておいて恥ずかしくなり視線を壁のほうに向けるが大河さんが何もしてこなくて、躊躇しながら視線を戻すとその視線は足の間に向いていた。
「その、見てほしい、訳じゃなくて」
早くしてほしい。とせかすがその手は熱をもって固くなったそこに伸びる。
「んぁ、」
そこを掴まれて先端を軽く擦られただけで体全体がびく、と震え自分で掴んでいる足もわずかに跳ねる。
「大河さんっ、」
びっくりしたせいで大きな声が出てしまい、名前を呼ばれた大河さんは少し驚いた様子で掴んでいた手を離す。
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