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「傭兵ギルドを優遇してるし、きっと都合よく使う駒として使っているんだろうな」
妖精のセイルからも傭兵ギルドの傭兵たちを、騎士団に命じるのが法に触れてしまうような事案に使っていると聞いているので、オレたちが応じなければ無理やり連れてくるようにでも言われたのだろう。
まぁそれが出来るかどうかは別にして。
~
食事を終えたオレたちが宿の外に出ると、30人ばかりの武装した男たちが出迎える。
気配でわかってはいたが、別に普通に迎えにきたら抵抗なんてしないで会いに行くのにご苦労なことだ。
「待たせたな。それでその馬車に乗ればいいのか?」
さすがに歩いて向かう訳ではなかったようで、我が国で貴族が使っているような立派な馬車が用意されていた。
「あぁ。その馬車で頼む。オレたちはお前たちの護衛のようなもんだと思って気にしないでくれ。上が心配性なもんでな」
「わかった。ドーマスが護衛してくれるなら安心してゆっくりできるな」
セイルから聞いた情報にあった元S級冒険者で傭兵ギルドに鞍替えした男の名前がドーマスだった。
ただ、別に男の佇まいや気配から強さを感じて名前を特定したわけではなかった。
うちの妖精さんの情報は、現代社会もびっくりの3D映像なので間違えようがないのだ……。
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