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特に何かに気付いたわけではなかったのだが、オレのその言葉にビクッと肩をあげるリリーとルルー。
あ……こいつら何か隠してるな……。
「リリー、ルルー。……いったい何を隠してる?」
オレのその質問に明らかに動揺をみせる二人。
何かを誤魔化そうとしているようだが、観念してリリーがぼそぼそと話し始めた。
「その……獣人族は神獣セツナ様を信仰しているんですが、同じぐらい女神様を強く信仰している……にゃ」
「つまりは女神様の使徒であるコウガに仕えたいという者たちが、かなりの数加わって……結果的に移住希望者が凄く増えたの……にゃ」
オレが原因という事か!? あまり考えたくないが、ちゃんと聞いておかなければ……。
「ちょっと待て……という事はセツナだけでなく、オレも……か?」
「そういう事……にゃ」
「今となっては各獣人族の里では、コウガも使徒様として崇められている……にゃ」
信仰対象にされるのは竜人だけで十分なんだけど!?
オレが明かされたその事実に愕然とし、眩暈を覚えているその目の前で、空間が歪み始めるのだった。
「普通に冒険者したい……」
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