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その門の前でオレたちは、いきなり予定が狂わされていた。
「ちょ、ちょっとお待ちください!! ど、どうぞこちらでお寛ぎになられていてください!」
門衛に冒険者であることを証明するギルドカードを見せたのだが、そこで騒ぎが起きた。
ちょっとオレたちも感覚が麻痺していたのだ。
S級冒険者と言うのが、どれほど凄い存在なのかと言うことを……。
「コウガ様。どうしてここで待つ事になったのですか?」
リルラがそう言うと、ルルーが軽くため息をつきながらこたえる。
「S級冒険者は一人で騎士団を相手にできる戦力。そのS級冒険者が5人とSランクの従魔のセツナ様がいきなり街に入ろうとしたので、ちょっとした騒ぎになっているよう……にゃ」
普通はS級冒険者になるような者は一人で活動しているか、A級冒険者を率いるパーティーを組んでいる。
それがS級冒険者だけのパーティーが、さらにSランクの従魔を一匹連れて街に入ろうとしているのだ。
それも他国で登録された冒険者だ。警戒もされるだろう。何故気付かなかった……。
「参ったなぁ。こんな事なら領主の権限で、別の身分証を発行すれば良かった」
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