【第16話:低姿勢で仲良く】

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 その門の前でオレたちは、いきなり予定が狂わされていた。 「ちょ、ちょっとお待ちください!! ど、どうぞこちらでお寛ぎになられていてください!」  門衛に冒険者であることを証明するギルドカードを見せたのだが、そこで騒ぎが起きた。  ちょっとオレたちも感覚が麻痺していたのだ。  S級冒険者と言うのが、どれほど凄い存在なのかと言うことを……。 「コウガ様。どうしてここで待つ事になったのですか?」  リルラがそう言うと、ルルーが軽くため息をつきながらこたえる。 「S級冒険者は一人で騎士団を相手にできる戦力。そのS級冒険者が5人とSランクの従魔のセツナ様がいきなり街に入ろうとしたので、ちょっとした騒ぎになっているよう……にゃ」  普通はS級冒険者になるような者は一人で活動しているか、A級冒険者を率いるパーティーを組んでいる。  それがS級冒険者だけのパーティーが、さらにSランクの従魔を一匹連れて街に入ろうとしているのだ。  それも他国で登録された冒険者だ。警戒もされるだろう。何故気付かなかった……。 「参ったなぁ。こんな事なら領主の権限で、別の身分証を発行すれば良かった」     
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