【第20話:大きめの買った方が良いです?】

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 ヴィーヴルが指さすものはショーケースに並べられた色々なデザインの指輪だった。  しかし、指輪と言うことはわかるのだが、どういった魔道具なのかまではオレもわからなかった。 「すみません! この指輪って何の魔道具なんですか?」  少し離れた所でリルラの質問攻めにあっていた店員の女性に声を掛けると、その店員は明らかに「助かった!」といった表情を浮かべて駆け寄ってきた。 「な、なんでしょう! 何かご所望でしょうか?」  内心、リルラを押し付けてすまないと謝りつつ、先ほどの指輪が何かと尋ねてみる。 「あぁ~これはですね。基本的には魔道具としての機能はおまけのようなものなのですが、光を発する事ができるアクセサリーです」  そして、お見せしますねと言って指輪を取り出して指にはめると、魔力を流してその効果を見せてくれる。 「わぁ! 凄く綺麗!」 「本当に凄く綺麗です……にゃ」  店員の指にはめられた指輪は、元々宝石がつけられた綺麗なものだったが、今はその宝石がキラキラと輝きを放ち、とても幻想的な姿を見せてくれていた。 「これは台座が光っているのか?」 「はい。そうですね。宝石の台座の方に小さな光る魔石が組み込まれていますので、お好きな宝石でおつくりする事も出来ますよ。贈り物にいかがですか?」     
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