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オレたちの事は知っているようで、特に高圧的に接してくるわけではなさそうだが、今日は少し起きるのが遅くなってしまいオレたちはまだ朝食の最中だった。
「そうか。だけど、オレたちはまだちょっと食事中なんだが……?」
「あぁ!? 下手に出てたら調子にぃ!? ごばっ!?」
後ろにいた髭もじゃの男が何か言いかけたが、凄まじい音をさせて拳骨を喰らって今は頭を抱えて蹲っていた。
「い、痛そうです……」
リルラが若干ひき気味に呟いているが、話はそのまま進んで行く……。
「そらすまねぇな。突然だったし、まぁゆっくり食ってくれ。オレたちは外で待っているからよ」
「そうか? 悪いな。なるべく急ぐ」
オレがそうこたえると、何事も無かったように蹲った男を扉の外に蹴り飛ばすと、そのまま外に出て行ったのだった。
~
「な、なかなか豪快な奴だったな……」
「そうですね。ちょっとびっくりしましたわ」
ヴィーヴルも爺さんに似たような事をしていた気がするが、大人なオレはそんな事に突っ込んだりしないのだ。
「とりあえずこちらから接触するつもりはなかったけど、やっぱり声がかかったし面倒だけど食べ終わったら向かうとするか」
「はい。思ったより動きが早かったですが、一度は会って直接説明を求められるのは想定内ですし……にゃ」
「でも、傭兵が迎えに来るのってどうなの……にゃ?」
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