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【第16話:低姿勢で仲良く】
テリハイム共和国の南西に広がる小さな森に転移してきたオレたちは、これからの行動について確認をとっていた。
「じゃぁ、まずは適当な宿屋を確保した後、冒険者ギルドにてギルドマスターとの面会に向かう。既にカリンから魔法郵便で連絡は入っているはずだから大丈夫だと思う。それに、オレも念のために領主としての書簡を持ってきているから、会うのはそれほど難しくないはずだ」
「そこで協力をお願いするのですか?……にゃ」
リリーのその問いにオレは首を振ってこたえる。
「いや。下手に協力をお願いして冒険者を巻き込んでも被害が増えるかもしれない。国に連絡して貰って警戒体制をとってもらうぐらいにとどめた方が無難だと思っている」
情報収集にしても、うちの妖精さんやジルの千里眼による監視の方が数段上だろうから、下手に動かれてこちらの動きがバレるのは避けたい。
余計な事はしないようにお願いしておこう。
「それで、私たちはどう動くの?」
ヴィーヴルが顎に人差し指を置いて、少し首を傾げてそう聞いてくる。
「そうだな。まずは……観光でもしようか」
~
テリハイム共和国の首都デリス。
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