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俺が話を濁していると、同級生は察したのか、そういえば、と違う話題を始めた。なぜか俺はその話に乗れず、何気なく部屋を見渡すと、「やっと見つけた」と不意に聞こた。
声の方に振り向くとそこには幼なじみがいた。
「探してたの、ねえ、聞いて欲しい話があるの」そういうと幼なじみは近づいてきた、が俺の隣にいる彼女を見ると足を止め、戸惑ったが、決意に満ちた顔をすると「ねえ、ちょっと部屋から出て話さない?」と問いかけてきた。
俺が問いに迷っているとふと、太ももに何かが乗った感触があった。「分かった、これ飲んだら行くよ」と答えると幼なじみは先に部屋を出ていった。
「何の話だろな、スペース開けてやった方がよかったか」同級生の一人が言うと「いや、良いよ、どうせ大した話じゃないだろうし」と俺は答えて飲み物のおかわりを頼んだ。
「お前幼なじみの所行かないの?」同級生が驚いたように聞いてきた。
「うん、俺あいつ苦手なんだよね」俺は目線をそらしながら答えた。
「そっか、お前がいいならいいけど……」それ以上同級生は聞いてはこなかった。
「私ちょっと他の席回ってくるね」彼女が微笑みながら立ち上がる。俺はうん、とだけ答えて彼女を見送った。彼女はテーブルを回らず真っ直ぐと部屋を出ていった。
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